060661 ランダム
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恋☆いろいろ☆★☆

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愛情と友情~後編~

可愛さ余って憎さ100倍。
私は、小学生の頃にHにあてつけたように、
いや、あれよりもさらにタチ悪く、Cさんに近づいていった。
Mの周囲はMをとても好きな人々が、相変わらず囲んでいた。
その人たちは、なんとかMとCさんをくっつけようとした。
けれど、嘲笑うかのように、私はCさんの隣にいることが多くなった。
ヤケになっていた。

仲の良かった、日本史の先生や
あまりなじみの無い予備校のチューターにまで
私とCさんのことは知られた。

何も無いのに。
人の噂が当てにならないと、
私はこの頃に、身をもって知った。

あ:「何も無いのに、噂になっているね」
Cさん:「本当だよね、なんか、付き合ってるの?とか聞かれちゃったよ」
あ:「うーん、でも、まあ、本当に好きになったらどうしようか?」
C:「どうしようかってもなぁ・・・」
あ:「ま、好きになったらその時に考えよう」
C:「そうだな」
あ:「なったら、言うよ」
こんな話をしていた、この頃は付き合いそうな雰囲気もあった。


Mは、Cさんを諦めた。
ある日、「あき、私もうCさんの事はいいから」
告げられた。
笑顔で。
きっと、もう、仲良くなんてしてくれないだろう。
どこかで思ったとき
「私、相手がCさんじゃなかったら好きにならなかったと思う。
 Cさんだったから好きになったのよ」
どこから浮かんだんだか、そんな言葉がついて出た。
「うん、分かってる」

分かってないよ、M。
私は、CさんよりMの方が大事だったんだよ。

その後、ヤケは行くあてを無くした。
どうしたら良いのか分からなかった。
今までどおりに、Cさんとは仲が良かった。
お互いに未成年だったけれど(笑)、外見は年齢より上に見えたため
居酒屋などへ飲みに行ったりもしていた。

いつしか、私は本当にCさんを好きになっていた。
そうするしか、気持ちの収めどころが無かったのかもしれない。
私の問題。
Cさんには無関係。
Cさんには彼女がいる。
予備校には、その彼女をしっているCさんの友達もいた。
彼は、その人に怒られていた。


受験シーズンに入り、彼が言った
「彼女と別れちゃったよ」

かすかに”期待”と思われるものが
心にかすかに浮かんだ。


けれど、以前とは彼の態度も言葉も
私に対して、優しく無くなっていた。
彼女との別れに、”私”という存在があったせいだった。
彼にしてみれば、やはり言われの無いこと。
私は巻き込んでしまっていた。
私の自分勝手で。
私自身の復讐心で。
寝ぼけた事をして・・・。


「好きになっちゃったの」
告げたときには
「で?どうしたいの?どうしたらいいの?」
答えはこれだった。”否”。

全く、今思えば
なんて面白い答えなんだろう。
笑える結末だった。

大切な友人の代償は大きく、
私が得た”経験”はこれまた大きかった。


本当に、なんて 笑える。
本当に、なんて 哀れな。



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